活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

目の付け所が違うんです

加藤実秋『インディゴの夜』(東京創元社)を読みました。


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スタイリッシュな文体で、すんなりと読むことができました。
一風変わったホストクラブの面々とオーナーが事件を解決するミステリですが、解説で荻原浩氏が言っているように、着眼点が非常に面白い。また、ホスト一人一人のキャラクタもバラエティ豊かで読んでいて飽きが来ない。


もともと、第10回創元推理短編賞を受賞した作品ですが、受賞した「インディゴの夜」以外はミステリとは言い難いですね。むしろ、サスペンスものといったところでしょうか。「インディゴの夜」の伏線は非常に愉快でした(その理由はぜひ本作を読んで下さい)。


知らなかったのですが、この作者『モップガール』を書いていたんですね。
事件現場専門の清掃会社の物語だというので、ちょっと面白いかな、と思っていたのですが、テレビがつまらなそうなので読むのをやめてしまいました。
しかし、今回『インディゴの夜』を読んで、ちょっと読んでもいいかな、と思い直しました。
ただ、面白いですが、取り立てるほどでもない、というのも偽らざる事実です。