最近、「それが何の役に立つの?」という言葉を耳にします。
その際たるものは「勉強は何の役に立つの?」でしょう。
すでに、その考え自体が倒錯していることに気が付かないのでしょう。そもそも、何の役に立つのではなく、何に役立てるか、が重要なのです。
もともと万物は最初から何かの役に立っていたわけではなく、人が役に立つ方法を考えてはじめて意味を持ちます。役に立つと言われている理工学系学問でさえも。
いったい物理法則自体が何の役に立つのですか?
いったい原子・分子が何の役に立つのですか?
それは、人が役に立てようと思ったから、「役立つもの」になっただけです。
それにもかかわらず、多くの人は役に立つものを探します。それだけを追い求めます。それは本末転倒です。
物事は何かに利用とした時点で役に立ちます。路傍の石でさえ。
役に立つ現代の生活が、役に立たない法則と役に立たない発想によって生み出されていることにどうして気が付かないのでしょう。
本当に、現代人は浅ましくなりました。