活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

クレドを心に

世界を変えるビジネス―戦略的な社会貢献活動を実践する20人の経営者たち

世界を変えるビジネス―戦略的な社会貢献活動を実践する20人の経営者たち

企業も人や家族の集合体であり、人間なら誰もが、自分の行動に胸を張りたいと思うだろう。私たちは、問題の大きな原因のひとつが大企業にあることを認識しているが、一方で、良心ある企業の傘下で活動したり、支援を受けて活動すれば、往々にしてより大きな成果が上がることも分かっている。

私たちはターニングポイントに来ている。
私たちは一人では生きられない。他人の助けが必要だ。だからこそ、他人のために動かなければならないと思う。
自分だけがよければよいという、これまでの価値観を排除し、相互扶助しなければならない。

間違いなく多くの人々が、企業の利益は社会の利益と一致しなくなったと感じている。
(中略)
しかし、資本主義やグローバル化が問題なのではない。これらの根底にあるのは、公共心や世界市民という意識が産業界の中で薄まったことである。
反企業的な感情の波を断ち切るには、企業が率先して行動を起こし、自分たちが社会の一員であるということを、明確かつ説得力あるかたちで示すしかない。
(中略)
世界企業市民の概念は、ステークホルダーの概念を超越するものである。すなわち、企業自体が国際社会のステークホルダーであり、権利と義務を有する世界市民であるということだ。

経済学者のミルトン・フリードマンは、利益はすべて株主に還元すべきであり、それ以外の目的には一銭たりとも使うべきではないと信じていた。私はこの理論に同意できない。ミルトンの主張は今の時代においては、正しいとは思わない。なにせ今は、優れた企業統治と正しい行動に対する、要求が高いのだ。

利益を株主に還元すればいいということではなく、社会にもどう還元していくか、それを企業は考える時期に来ている。
本当によい企業とは社会や地域とよい関係を築いている企業のことを指す。


世界は変わっていくのに、どうして市民の一人である企業は変わらないでいられるのだろうか。