活字中毒の溺れる様の記

これは、よくいる活字中毒者が溺れ死ぬまでの記録である……なわけない(笑)

世界は広いな、大きいな

今日、パラドックス定数の『38℃』という舞台を見に行きました。


きました。きましたよ。
文句なしに面白いです。全体的にクオリティが高いのですが、なにより役者がよい! 取り立ててカリスマや天才的な役者がいるわけではないのですが、役者のレベルが高い。どれだけ稽古をしたのか、あれはもう日々の稽古の賜物です。
特に才原役と高遠役の方は抜群によかったです。


久しぶりに見てよかったと思える演劇です。いえ、練肉工房の舞台を見たから、久しぶりではないですね。でも、よかったです。友達と二度も見てしまうほどですもの。


芝居の始まりは暗転がなく始まり、とても言葉が自然なんです。全体を通していわゆる芝居がかった演技はなく、「舞台としてのリアリティ」がそこにはありました。
客席も使った舞台で(実は最初から役者が座っていて、そこから始まるのですが)、客自体も舞台の上に巻き込んだ役者のレベルの高さは見物です。
脚本も役者や舞台と合っていました。脚本自体は台本のセオリーにかなり沿っているもので取り立てて目を見張るものも、セオリーはずしもなかったですね(しいて挙げれば、暗転がなく始まること、客席を巻き込んだことくらいですかね)。


ただ、役者と脚本が化学反応を起こして、あれだけの素晴らしい舞台ができることには感動すら覚えました。
もう一つ凄いことに、まったく音響がなかったことです。あの脚本ならなくてもいいのですが、役者の側からだと音楽があるのは助けになることが多くあります。
そういうものに頼らずに舞台を創れる力に完敗です。


いやぁ、本当に今日はいい一日でした。
世界の広さを知った一日です。


パラドックス定数」公式サイト
http://www.paradoxconstant.com/labo/index-2.html